LIVE PHOTOS & REPORT

Vol.5 元ちとせ

2018.10.26 fri.

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開演前の客席からはフォークとナイフを使う音が聞こえてくる。そこには静かにグラスを傾け料理に舌鼓を打ちながら、まもなく始まる上質でプレミアムな時間を心待ちにしている空気がほのかに漂っている――。ここは東京・丸の内にある「COTTON CLUB」というライブ・レストラン。今宵、「American Express presents THE BLUE SESSIONS」という名の一夜限りのライブ・セッションが行われるのだ。このJ-WAVE企画による“大人のライブシリーズ”は、ポルノグラフィティやいきものがかりの作品を手がけたプロデューサー・本間昭光氏がホスト役としてゲストボーカルを迎え入れる形で、これまでに4回の公演が行われている。5回目となる今回のゲストは元ちとせ。彼女は2002年にデビュー曲「ワダツミの木」の大ヒット以降、現在までコンスタントな活動に勤しんでいる。彼女の名前を聞いて想起するのはやはり“シマ唄”だろう。奄美シマ唄特有のこぶし使いとファルセット多用する歌唱法をポップスへ昇華させた歌い手として、いわば文化的な貢献を果たしたアーティストとも言える。そんな彼女の歌が、本間氏が率いるバンドとどのようなセッションを繰り広げるのか。

 ステージに現れ、まずは客席に向かって両手を合わせ一礼する彼女。エキゾチックな衣装とヘアスタイルは、どこか南国のイメージを思わせる。カホンの乾いたスラップと奥ゆかしくリズムを奏でるチェロ、そこへ浮遊感のあるエレキギターと本間氏のピアノの音色が重なる音像が心地よい。そんな演奏をバックに「カッシーニ」を歌い上げる彼女。異国情緒を思わせるそのサウンドスケープは、言うまでもなくシマ唄でもなければチャートを賑わすポップスとも違うものだ。とはいえ聴衆の胸ぐらを掴むような強引さもなく、どこか土着的というかフォークロアのような佇まいがある。それ以降もスポンテニアスに発生した音と声が、ステージからゆったりと放たれていく。「あなたがここにいてほしい」では、子供に本を読みかせるように、手ぶりや仕草を交えて歌う彼女の姿には、彼女の母性のようなものが感じられた。

 「楽しんでいただけてますでしょうか? それとも……いただけてないのでしょうか(笑)」

 客席にそんなツッコミを入れて拍手を促すと、思わず客席からは笑いが起こる。それまでどこかシリアスなムードだった空気が弛緩していく。「気楽に聴いてくださいね」とさらにダメ押して披露されたのは、こぶしと裏声が見事にハマった欧陽菲菲の「ラヴ・イズ・オーヴァー」。往年の歌謡曲のカバーで、彼女と客席の距離がさらに近くなる。続いてハンドクラップを促すことでフェス会場のような一体感を作り上げた「ハミングバード」、ユーミンのカバーがもはや彼女のオリジナルにしか聴こえない「スラバヤ通りの妹へ」、そしてバンドとの即興プレイのようなスリリングさを見せた「ワダツミの木」。ついにクライマックスを迎えたライブは、アンコールを経てもなお大きな拍手によって惜しまれながらも幕を閉じた。元ちとせを迎えたプレミアム・セッションは、自然体で音楽を楽しむ術を教えてくれる、まさに“プレミアム”な時間だった。ひとつ、あえて残念なことを言わせてもらえば、これが“一夜限り”のライブであるということ。願わくば、ぜひ次の機会を作っていただきたい。きっとその場にいた誰もが、そう思ったはずだ。

 

取材・文:樋口靖幸/音楽と人

写真:高田真希子

 

【SET LIST】

American Express presents

THE BLUE SESSIONS Vol.5 元ちとせ

2018.10.26 fri. @ COTTON CLUB 2nd Stage

 

M1:カッシーニ

M2:語り継ぐこと

M3:あなたがここにいてほしい

M4:いつか風になる日

M5:ラヴ・イズ・オーヴァー(欧陽菲菲)

M6:ハミングバード

M7:君ヲ想フ

M8:スラバヤ通りの妹へ(松任谷由実)

M9:ワダツミの木

M10:夜に詠めるうた(杏子)

<ENCORE>

M1:ひかる・かいがら

 

<BAND MEMBER>

音楽監督・Piano:本間昭光

​Guitar:中村タイチ 

Cello:柏木広樹 

Percussion:坂井“Lambsy”秀彰

​ARCHIVES

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